『ゲンロク』誌でロングタームテスト記事として掲載していた当社デモカーの997GT3RS。
1年を通して様々なパーツのテストをしながら、各パーツの効果を検証。すべてノーマルに戻せるカスタマイズ、と言うコンセプトの元で大幅な軽量化等は行わず、あくまでノーマルの良さを伸ばしていくという方向性でのセットアップを行ってきました。
その結果、澤圭太選手のドライブにより富士スピードウェイのタイムアタックを行い1分52秒9のベストタイムを記録。
現在さらに、アップグレードしたパーツを装着してのテストを繰り返し、さらなるタイムアップのためのデータを蓄積しています。これらのパーツはただ装着するだけでは効果は限定的です。パーツを装着し、そのパーツ同士のバランスを取りながら、さらにドライバー(お客様)に合わせたセットアップをしてこそ、最大限の効果を発揮します。そこに我々のノウハウを注ぎ込むわけです。 ここでは、そんなテスト結果から厳選したパーツの情報を一部掲載し、サーキットを走る上でのチューニングの参考にして頂けるよう解説しています。
ブレーキ:安心して走るための絶対条件。それはちゃんと止まること。




 

 
   
サーキットでのパフォーマンスに一番影響を与えるのが、この黒い“カタマリ”タイヤだ。
このタイヤの中には各メーカーの様々なノウハウがつぎ込まれていて、その設計思想や設定性能などにかなりの違いがあり興味深い。クルマの“速さ”を決定付けるにはたくさんの要素があるが、すべてはこのタイヤの性能を最大限発揮させるために調整するといっても過言でないほど重要な要素を担っている。
タイヤの性能をなるべく100%近く発揮させるために、ホイールもサスペンションもブレーキも空力もセッティングをしていくと言って間違いない。
逆に言えば、そのタイヤの性能以上にクルマは速くならないから、むやみにパワーアップしたり、逆にむやみに大きなブレーキを入れたりしてもタイムアップにつながらない事もある。
要は使うタイヤによってクルマの最終的な速さは決まってしまうのだ。また、さらに厄介なのはタイヤは速さの部分だけでなく、滑った時のコントロール性や、耐久性、ウェット性能、騒音性能、燃費性能など非常に多くの性能を要求されるので、速さと同時にこれらその他の性能のバランスを考えてチョイスする必要がある。
立ち返って997GT3-RSはと言えば、純正がミシュラン・カップの19インチタイヤを採用している。このタイヤはサーキットでテストしてみると、トレッドパターンと溝の浅さから想像するグリップの強さは感じられず、その割にライフは短いことが判明した。
恐らくヨーロッパのサーキットで開発されたであろうこのタイヤは日本のサーキットのような路面の摩擦係数が高い、すなわちグリップが高い路面では日本のメーカーがサーキット専用に開発したSタイヤほどの性能を発揮できないのではないかと思う。そこで、ゲンロクRS号では唯一純正と同サイズの19インチSタイヤをデリバリーしているTOYOタイヤを採用した。
TOYOのPROXES・R888タイヤのサイズはフロント235/30-19、リヤ305/30-19で純正のミシュランパイロット・カップと同じサイズだ。
純正と同様の19インチタイヤでデリバリーされているのはTOYO・PROXES・R888のみだが、ホイールを変えて18インチを装着する方法もある。その場合タイヤはクムホ、ブリヂストンなどかなりチョイスの幅は広がる。
ただし、PCCB装着車両はフロントブレーキが大きく、装着できる18インチホイールが少ないので注意してほしい。
   

街乗り指数:  ★★☆☆
サーキット指数:  ★★★★★
Sタイヤ系 TOYO・PROXES・R888
フロント235/35-19 リヤ305/30-19 (ゲンロクGT3-RS使用タイヤ)
19インチ唯一のSタイヤ設定があるTOYO・PROXES・R888は絶対的なドライグリップ重視というよりも、トータールバランスを追求したSタイヤだ。
走行後のトレッド面の均一な磨耗やタイヤの温まりやすさ、走行中の熱ダレの少なさも印象的。空気圧は温間時フロント2.3pa、リヤ2.5pa近辺で使用が目安になる。
Sタイヤとしては比較的高めの空気圧設定になるが、2.0pa近辺での使用では本来の性能が発揮しにくい。
     
CREF水島のフィーリングチェック   純正ホイールにそのままフィットするので、ホイールの買い替えが不要です。絶対的なドライグリップはハンコックなどに劣りますが、ミシュランカップに比べグリップは高くライフも長い。特にSタイヤとしてはウェット性能は非常に高い。使用時の空気圧を下げすぎないように注意。
エンジニアのワンポイントアドバイス   - - -


街乗り指数:  ★★☆☆
サーキット指数:  ★★★★★
Sタイヤ系 ハンコック VENTAS TD(Z221)
フロント235/40-18 リヤ295/30-18
絶対的なグリップが非常に高いセミレーシングタイヤ。ラインナップが18インチまでなので、18インチホイールを選択する必要がる。
富士SWでベストタイム更新を狙う方にはオススメのタイヤ。コンパウンドがSとMHの2種類があり、Sコンパウンドはライフは短いがグリップは高く、MHコンパウンドはグリップはSコンパウンドより落ちるがその分耐久性がある。
997のホイールアーチは大きめなので、純正に比べ外径が小さくなる295/30-18サイズのタイヤをリヤに装着すると、タイヤハウスに対してタイヤ系が小さく見えてしまう面がある。
     
CREF水島のフィーリングチェック   タイムを出すならこのタイヤと言われるほどドライグリップが高く、コントロール性も良い。Sコンパウンドはライフが短く、一発タイムアタック用的性格が強い。通常の走行はMHコンパウンドがおススメです。空気圧は温間時低めの2.0付近で調整してください。
エンジニアのワンポイントアドバイス   - - -

街乗り指数:  ☆☆☆☆☆
サーキット指数:  ☆☆☆☆☆
Sタイヤ系 ブリヂストン RE11S
フロント235/40-18 リヤ295/35-18
997の18インチモデル純正サイズと同等のサイズの設定で、ホイールアーチが大きな997にも見た目の違和感はありません。当社ではサーキットでのテストは未経験なので、確かな性能評価は出来ませんが、今までの経緯から言って悪いはずは無いと思います。近々是非テストしてみたいタイヤです。
通常ラジアルとSタイヤとの中間系 クムホ ECSTA V700
現在RS適用サイズはラインナップされていませんが、適用サイズが発売期待されるタイヤです。
通常ラジアルタイヤ系
指定タイヤではミシュラン・パイロットスポーツ2/ピレリP-ZERO/ピレリP-ZERO・ROSSO/ピレリP-ZERO・CORSAsystem/ブリヂストンRE050が適用サイズがあり、指定外にもTOYO・PROXES1やピレリ・トロフェオなどがあります。お気軽にお問い合わせください。


街乗り指数:  ★★★★★
サーキット指数:  ★★★★★
TWSモータースポーツ・アルミホイール
フォーミュラーやGTレースでの使用実績から同じスポーク数と形状で設計されているTWSモータースポーツホイール。
その名の通り、GT3/GT3-RS用19インチサイズをラインナップするアルミホイールで純正に比べ、1台分で8~10kgのバネ下重量の軽減になる。
街中でも走り出せばすぐに違いが分かるほど軽量化の恩恵を得られる。サーキットでは左右へ揺り戻したりするコーナーで、クルマの動きが軽やかになりコントロールが容易になる。
性能面だけでなく、スポーツ度の強いデザインでクルマがよりレーシングカーライクに見える。

18inch 19inch
CREF水島のフィーリングチェック!   バネ下重量の軽減が大きく影響して、走り始めからクルマが軽く転がる感じが分かります。そのメリットがサーキットでも発揮されて、左右に振り戻すようなFSWの最終セクションなどで、クルマの動きが軽快になって向きが変わりやすくなります。そして、エクステリアも精悍になり個人的にはリヤの深リムがたまりません。
エンジニアのワンポイントアドバイス   - - -


街乗り指数:  ★★★☆☆
サーキット指数:  ★★★★★
TWSモータースポーツ・マグホイール
GT3/GT3-RS用18インチサイズをラインナップするマグネシウムホイールで純正に比べ、1台分で9~11kgのバネ下重量の軽減になる。18インチSタイヤを使用するために開発した専用サイズなので、GT3/GT3-RS用ともにスペーサーの使用無しにツライチに装着できる。PCCB装着車ではキャリパーとのクリアランスがミニマムなので、装着には注意が必要です。ハンコックや18インチ国産Sタイヤメーカーのタイヤを装着する方はこのホイールがオススメです。
     
CREF水島のフィーリングチェック   TWSが18インチSタイヤ用に開発したマグホイールで、アルミに比べさらに軽量化されているので、18インチタイヤとのマッチングでさらにクルマの動きが軽くなります。タイムを出すならこの18インチホイールがおススメです。 その他、ADVAN Racing RZ、RAYS TE37などがあります。
《参考》 後期GT3-RS用センターロックホイールとしてはBBS/TWS/OZなどからラインナップされています。
エンジニアのワンポイントアドバイス   普段は純正ホイールにN指定のタイヤを装着し、サーキット走行を楽しむ際に TWS、ADVANまたはRAYSなどのホイールにSタイヤまたはレーシングラジアルを組み合わせるのがお勧めです。 タイヤはスキーで例えると、板に相当します。ブーツがサスペンション、足腰がショックアブソーバーといえるでしょう。 タイヤはブレーキ性能にも影響するので性能はもちろんの事、摩耗状態やエア圧管理は重要です。
 

 
安心して走るために必要なもの、それは安全に止まれるシステム。
サーキットを走る上で、ブレーキほど重要なパーツはありません。きちんと安心して止まれなければアクセルは踏めません。
ポルシェのブレーキ、しかもGT3のブレーキと言えば、世界一の性能を備えていますが、サーキットという過酷な舞台に持ち込むと、やはり不満点は出て来るもの。海外のサーキットに比べ日本のサーキットの舗装は摩擦係数μが高めで、さらにグリップの良いSタイヤを装着すればブレーキへの負担も大きくなりがちです。
そこで、サーキット走行の性能に特化したブレーキシステムの装着を提案したいのです。サスペンションや空力パーツ、エンジンのパワーアップよりも何より先にサーキットに合わせたブレーキのチューニングを行って下さい。
安心して走るためにはまず、安心して止まれること。自身の安全はもちろん、車をコントロールする上で最も重要なブレーキのカスタマイズは「走ることを楽しむための第一歩」です。
   

街乗り指数:  ★★★☆☆
サーキット指数:  ★★★★★
Rdd製スリット入り2ピースブレーキローター/PFC製2ピースブレーキローター
純正のスチール製ドリルドローターはサーキット走行で使用すると、高温で使用する頻度が高くなるため、ドリル穴からヒートクラックが発生します。ヒートクラック自体は問題無いですが、ヒートクラックが徐々に延びてローターの外周に達したり、隣のドリル穴に達したりするとローターの割れにつながり、非常に危険です。また、ドリルドローターはハードに使用すると表面が波打ち、ブレーキフィーリングが悪化します。また、PCCB装着車両は走行するサーキットにもよりますが富士SWなどではローターの劣化がスチールより早く、表面にざらつきが発生し始めます。そうなるとローターの交換時期が近づくため、大きな出費が予想されます。
そのため、サーキット走行を継続的に行う方にはスチールローターへの交換をお勧めします。スチールローターのほうが、コストもはるかに少なく、ライフも長く、さらにコーナーリング中の微妙なブレーキコントロールもしやすくなります。PCCBは制動力は大きいですが、オンかオフかという性格が強く、パーシャルのコントロール性はスチールローター+レーシングブレーキパッドの方が上です。
     
CREF水島のフィーリングチェック   レーシングパッドとの組み合わせで、絶対的な制動力も純正スチールを大きく超え、PCCBに比べても遜色ないレベルです。富士SWの1コーナーでも安心してフルブレーキングできます。
エンジニアのワンポイントアドバイス   このブレーキローターはフローティング構造なので、ブレーキキャリパーのイン側アウト側ピストンの微妙なズレや変摩耗したブレーキパッドの差に対応します。


街乗り指数:  ★★★☆☆
サーキット指数:  ★★★★★
フェロードDS1.11ブレーキパッド/PFCブレーキパッド
純正スチールブレーキ用ブレーキパッドに比べ大幅に制動力が高まり、またローター表面に皮膜が形成されるので、ライフも長く使用可能です。
純正のPCCBと同等の制動力を持ちながらコントロール性はPCCBの上を行きます。特にクリッピングポイントへ向けてブレーキを抜いていく時のパーシャルのコントロール性は大きな差があります。
PFCブレーキパッドの方がフェロードよりも「ガツン!」と効く初期の制動感があり、フェロードの場合は踏み込んでいくとその分効いてくる感じです。
ブレーキの鳴きに関しては大きく出るクルマもありますし、ほとんど出ないクルマも有り、ローターとの相性で大きく異なるようです。
     
CREF水島のフィーリングチェック   ブレーキングのフィーリングはドライバーの好みが分かれる所。フェロードは初期制動はまろやかですが、踏み込んでいくとググッと効いてきます。逆にPFCは初期制動が強く徐々に抜いていく感じでコーナーにアプローチします。どちらを選ぶかはドライバーの好みですね。
エンジニアのワンポイントアドバイス   PFCの初期制動は、荷重移動のコントロールがしやすくサーキットを速く走りたい方にお勧めします。サーキット以外の走行が多く、サーキット走行を安全かつ楽しく走りたい方は、フェロードをお勧めします。


街乗り指数:  ★★★★★
サーキット指数:  ★★★★★
ステンレスメッシュブレーキホース
高温になると純正との差が顕著になるステンレスメッシュブレーキホース。純正だとペダルタッチが柔らかくなる状況でも、カチっとしたフィーリングを持続します。
これはブレーキフルードの温度が上昇することによる内圧の上昇に伴い、ゴムホースが膨張して油圧を逃がしてしまうことによって発生する現象です。ステンレスメッシュにする事でこのような膨張を防止し、ブレーキフィーリングの悪化を防ぎます。
その他、ダクトの装着等によって空気を取り入れてブレーキを冷やすことによっても軽減の効果があります。

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CREF水島のフィーリングチェック   ノーマルと比較すると、ブレーキペダルを踏んだ時のブニュっとしたフィ-リングが減少して、ブレーキコントロールがよりダイレクトになります。
エンジニアのワンポイントアドバイス   ゴムホースは、膨張するのと劣化も早いです。純正ブレーキホースの交換の際は、ステンレスメッシュのブレーキホースに交換をお勧めします。


街乗り指数:  ★★★★★
サーキット指数:  ★★★★★
エンドレスRF650ブレーキフルード
ポルシェのカップカーレースやF1チームでも採用されるブレーキフルードで、純正に比べ沸点が高くベーパーロックを防止します。いくらパッドやローターをグレードアップしてもフルードを良いものに換えないと意味がありません。費用もリーズナブルで、効果は絶大なのでコストパフォーマンスは非常に高い商品です。命を守るブレーキなので、気を使いたい部分です。とは言っても、過信は禁物。もしペダルのタッチが柔らかくなってきたら迷わずエア抜きをしましょう。理想的には走行後毎回エア抜きは行いたい所です。

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CREF水島のフィーリングチェック!   連続走行中にフルブレーキングの回数が増えてくると、ブレーキの発熱に冷却が追いつきません。そうなるとブレーキフルードが沸騰し、エアが噛み始めます。
RF650は純正に比べれて大幅にそのタイミングを遅らせる事が出来ます。連続走行しても安心してブレーキを踏めるフルードです。
エンジニアのワンポイントアドバイス   高温時にその性能を発揮します。ブレーキは、制動だけでなく荷重移動にも関係するデバイスです。エア噛みがすくないので、サーキットの連続走行を可能とします。


街乗り指数:  ★★★★
サーキット指数:  ★★★★★
純正RS後期リヤブレーキ冷却ダクト
PCCB装着車両でサーキットを走った場合、リヤブレーキパッドの消耗が早い。
恐らくリヤブレーキの発熱が大きくブレーキパッドの磨耗が早いのだろう。その対策のために追加されたと思われるブレーキダクトが997GT3-RS後期には装着されている。
リヤブレーキ冷却用に純正パーツ流用チューニングとして前期型や997/996GT3にも装着可能です。
     
CREF水島のフィーリングチェック   体感できるほどのフィーリングの差は無いものの、ブレーキ温度上昇を確実に抑えてくれるアイテムです。連続走行や夏の走行には効果を発揮してくれす。
エンジニアのワンポイントアドバイス   RRの構造上、リアのブレーキの負担が大きくABSの介入もあるのでリアの発熱があります。フロントブレーキと違い冷却の風をあてにくいので、車体下面を流れる空気を取り入れ冷却できるこのパーツは、お勧めです。

   

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